幼い頃に良く食べたものの味は身体に染み込み、幾つになっても繰り返し食べたくなるもの。
神田万世橋の脇にある『肉の万世』の『万かつサンド』は、私にとってまさにその一つである。
紙のボックスの蓋を止めてあるシールを隙間に沿って爪で切りオープンすると、内側が銀紙の小袋入り紙ナプキン小袋を破り濡れナプキンで手を拭いて食べていたのだが最近のには入っていないみたい。
内側にある万かつサンドを包んでいる白い紙を開ける時の楽しみはいつも同じ。わずかに油とソースの染みた白い紙を確認すると何故か安心する。
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時代も流れ店舗のビルも大きくなりはしたが、箱のデザインや味は何年経っても変わらない。
色々なバリエーションの派生サンドも発売され、さながら”万かつサンド・ファミリー”
その『万かつサンド』も人気商品のためか販売チャネルを増やし、主要鉄道駅や空港の売店でも売られるようになっていった。
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最近では自販機も登場し、肉の万世本店の中央通りを挟んだ向かい側の中央線高架下の自販機コーナーの一角に”万かつサンド・ファミリー”の自販機があり、思わず購入してしまった。買ったのは『弍万かつサンド』でカツ二枚重ねを耳付きのパンで挟んだもので、少し高級感を感じさせノスタルジックな気分と自分の財布から出したお金で買うことに老いた自分を実感させられた。
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